河出文庫『菅原伝授手習鑑』の装画
河出文庫「古典新訳コレクション」シリーズの『菅原伝授手習鑑』の装画を制作しました。
[訳:三浦しをん / 出版社:河出書房新社(2024年12月 刊行) / 装丁:鈴木成一デザイン室]
菅原道真に恩義を受けた三つ子、梅王丸・松王丸・桜丸が主君への忠義との間で葛藤し、やがてそれぞれの運命が別れてしまう物語。
歌舞伎や文楽で今も愛される名作浄瑠璃を、三浦しをん氏が現代語に訳し、河出文庫の「古典新訳コレクション」シリーズとして刊行されました。
「赤ん坊の三つ子」や「桜」、「牛のおもちゃ」などを盛り込んだカバーイラストというご希望を元に、三つ子のポーズや牛のおもちゃの種類が異なるラフを複数点制作し、この三つ子と赤ベコの人形で決定しました。
成長した梅王丸・松王丸・桜丸の三つ子に、それぞれ悲劇が襲いかかる物語ですが、あくまでもかわいく無邪気な三つ子にしたいというご要望もあり、朗らかさや赤子の清らかさを感じられる明るいものになるよう努めました。
また、読み終わった後に改めてカバーを見ると、幸せな過去と悲劇の未来の対比が感じられるようなイラストになるよう意識しました。