前回に引き続き、イラストレーターズ・ポートフォリオvol.8のミニ講評、3名分です。

イラストレーター名:琥珀雨

<スタッフA>
こうしたアイデア満載で楽しいイラストはデザイナーさんは助かりますね。次号はどんなイラストになるんだろう?ってレギュラーでお願いしたくなります。

<スタッフB>
本で構成した家にすることで、アカデミック感がでますね。「これからのエコとは?」「未来の住まいとは?」といったコンセプトを紹介するコンテンツなどにぴったりなイメージだと思います。日常シーンをそのまま切り取ったものではなく、こうしたアイデアを膨らませた架空の世界を作る方は少ないです。オーダーする側も、アイデアが出せる方かどうかを判断するためにはこうしたサンプルがあると安心。いろいろなテーマで量産することをおすすめします。

<スタッフC>
インテリア系の雑誌が好きで、将来こんな部屋にしたいなーとかいろいろと妄想を膨らませるのですが、そんなワクワクを表現したようなイラストで、一目で惹かれました。住まいの雑誌なので本をモチーフにしているメタ的なアイデアも良いですし、いわゆる”アイデア俯瞰図”も出来そうだなーと、サンプルとしての実用性も高く、トータルでハイクオリティにまとまっていると思います。

<スタッフD>
斜め上から見た俯瞰図でも使われる構図で具体的にどんなイラストか、というよりイメージが広がっていく感じが良いイラストだなと思いました。個人的に衣類を干していることと女の子の髪がなびいているだけで「風」の表現がされているのが、爽やかさをより強調されているなと思いました。余談ですがジブリ作品なども風の表現を意識しているらしく、風というのはイラストにおいても使い方次第で表現の幅が広がります。テイストとして色数・線画・トーンの使い方も含めトレンド感があります。本から広がるような世界が、住まいというテーマのカタログを想起させるようで、結果的に今回の表紙として相応しい作品だなと思いました。

<スタッフE>
積み重ねられた本のなかに出来た家、床の本は窪みがプールのようになっていたりとアイデア満載のイラストだと思います。小さい人が住まい設計を研究しながら暮らす家というのが想像できました。風や葉っぱが揺れる音、小さな生活音も聞こえてきそうです。文字もちゃんとまとまっていてテーマとしても、表紙としてもピッタリなイラストだと思いました。

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イラストレーター名:小林萌子

<スタッフA>
とても良いです。スッキリしていて特集タイトルもしっかり入ってくる。シンプルだけどテクスチャーのようにしっかり描き込まれているので物足りなさは全然なく、一つ一つに厚みを感じます。色ベタ部分に斜めに入れいてる線はとてもいいので、樹木のシェイプをもう少し特徴だされてもいいかもしれませんね。

<スタッフB>
チェアやポット、スイーツが家に遊びにきたように見える。人間がいないのに、なんだか楽しいといった感情も伝わってくるのはそれが理由かもしれません。「住まい」関連のクライアント(不動産など)の中には、人がいるサンプルを見て検討する方も多いので、人物を足してしまうのもいいでしょうし、いっそのこと、家や植物などに目鼻口をつけて擬人化しちゃうのも面白いビジュアルができそうだなと思いました。

<スタッフC>
ロハスを想起させるイラストで、ああそうか、緑と暮らすというのはそういう解釈もあるのだなーと思わせられた一枚です。柔らかくて暖かくて、ポジティブな雰囲気に包まれています。エコやスローライフをテーマにした雑誌の表紙などにも良さそうです。

<スタッフD>
小慣れた感じがあり、あたたかみがあってかわいらしいです。住まいというテーマで制作されたものの、ハンドメイド系のイベントや何かちょっとしたフェス(なんとなく世田谷あたりで開催されてそうな)のビジュアルに合いそうです。フォルムも簡略化しつつも独特なかわいらしさがあるので、左下のパンのような色々なパンだけ・小物だけがたくさん並んだ(パンフェス・雑貨フェス)ビジュアルというのも見てみたいです。

<スタッフE>
優しい、柔らかい雰囲気があって地の色もベージュ系でまとまっていてかわいいと思います。質感があるためか、まるで実際に作った小物の家や木をイラストに落とし込んだように感じました。また、手書きの文字が入っているおしゃれさもあって素敵だと思います。

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イラストレーター名:コハルビヨリ

<スタッフA>
面白い構成ですね。リアルな部分とピンクのベタがデザイン的で不思議な魅力があります。窓から燦々と降り注ぐ暖かな光を容易に想像できる状況なので、その影を入れてみてほしくもなるのですが、ピンクのベタの狙いもあるのかなあと。手前と奥の部屋の明るさの違いもあまりないので、奥行き感はあまり出したくないのかな?とか思ったり。

<スタッフB>
この表紙の本が棚にあったら、「おっ」と思って手に取りますね。素敵なイラストだと思います。奥と手前の部屋の描き分けのバランスが良いですね。部屋間のしきい(壁や戸)がなかったり、奥の小窓・インテリアなど細部まで今っぽいポイントを抑えられていますね。男性のポーズや表情のリラックス感もすごくいいと思います。不動産関連の仕事では、オンとオフを求められることが多いので、仕事しているシーンのサンプルもあると仕事につながりやすくなると思います。

<スタッフC>
タイトルカラーを軸に配色をすることで誌面全体としてのまとまりが良く、イラストの中で一か所だけタイトルカラーを差し色のように使っているのも、アクセントとなっていて面白いなと思いました。ただ、全体的にパステル調で明度・彩度が一定のため、イラストとしては少し弱くなってしまっているかもしれないです。逆に、特集タイトルはよく目立っているので、好みの問題なのかもしれません。

<スタッフD>
クリーミーな色合いなので真ん中に黒い文字がドンとはいってきても見栄えがいいのが個人的な驚きでした。元々余白もあるので、デザイナーさん次第ではもっと素敵に仕上がる可能性を感じる作品です。人物もリラックス感があり色も特徴的なので、他ではあまり見ない明るい住まいという印象が作り出せていると思いました。窓の質感を足したり、外に木々があるともっと広がるかなと思いましたが、この状態でもマットさが「家の中」を強調させているようでもありいい感じです。文芸系の表紙でもいけそうです。

<スタッフE>
リラックスした男性と猫の表情がいいですね。椅子の緑色があることで、背景の色味に埋もれることなくしっかり目を引けていると思います。文字は黒字で読みやすいですが、全体的に少し窮屈な感じがしたので抜け感を出すために窓に反射の光で白地を入れてみても良さそうと思いました。

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